あれから40年も経つと、時代は本当に変わってしまった。懐かしい西新宿ウィナーズ 。
40年近く前の話です。大学生だった83年ごろ、毎週新着のレコードが米国から直送されるのを楽しみに足繁く通った、ソウルファンクディスコ専門輸入レコード店、西新宿ウィナーズ 。無愛想な店長だが、新着12インチをまるでセールストークのごとく、店内に流してくれた。誰もまだ日本では聴いたことないだろうという優越感と掘り出し物を見つけたときの高揚感は、今のサブスクリプションモデルやYouTubeでいつでもどんな音楽に触れることができる時代にはない感覚でした。とはいえ、曲やアルバム単体のそうした「発見」体験はなくなってきたけれど、YouTubeでDJが独自の選曲と技術によるリミックスを見つけたときは、あの時と同じ高揚感が得られます。とはいえ、自分で探すよりも、YouTubeが個人の過去履歴を元に関連動画として推奨してくるので、自力で探す感は、当時と比べればかなり低いですが。
時代を創った伝説のDJプレイが簡単に聞くことができる幸せ
皆さんも多くのYouTubeお気に入りのDJをブックマークしていることと思いますが、今日はこのDJを皆さんに共有したいと思います。
その名もDJ Destruction(破壊者)。DJディストラクション、彼のプロファイルは1991/92年のDMCチャンピオンシップの英国のファイナリストです。彼は、アーティスト(Redman、M.O.P、Capone-n-Noreaga、Pharoahe Monch、De la Soulなどと音楽を制作、またGuruとLL Cool Jとも組んで、LLCJは米国でプラチナになり、ビルボードナンバー1に輝きました。 RedmanのシングルSmashSumthin’は、英国のトップ10とゴールドディスクを達成。その後、DJ Destructionはリミックスに取り組み、Canibus、Pay As You Go、Elephant Man、Adam F、Dan Le Sac vsScroobiusPipなどのプロデュースを行ってきたようです。
彼のサイトから様々な音楽ジャンルへの深い愛情が感じられます。ソウルファンクヒップホップとそれぞれの時代を作ったサウンドを既存の概念を破壊するかの如く自由に音楽を創造、料理していきます。
同じDJとはいえ、ただ単に音楽のジャンルやBPMだけで、工業品のごとくミックスするDJとは異なり、彼の場合にはその音楽にある背景や時代感をミックスの中に映し出す、まさに芸術品の領域でしょう。
フレーズは単にその場で生まれるのではなく、音楽の流れの中で意思をもってひとつひとつのフレーズがまさにフレイバのように、全体の流れの中で効いてくる。こうしたミックスを聞くと、40年前の「発見」と同じ高揚感を得られるのです。