80年代初期NYディスコサウンドといえば3大レーベル
70年代後半から83年にかけて絶頂期を迎えていたニューヨークディスコサウンド、その代表曲のほとんどが「プレリュードレコード(Prelude Records)」やカイリー兄弟により創設されたニューヨークのダンス・レーベル、「サルソウルレコード(SalSoul Records)」そしてウエストエンドなどからリリースされていました。
サルソウルはLoleatta Holloway(ロリータ・ハロウェイ)、First Choice(ファースト・チョイス)、Instant Funk(インスタント・ファンク)、Inner Life(インナー・ライフ)が有名。
この時代のニューヨークディスコサウンドはまるでミラーボールのよう、そして音楽に合わせて光るダンスフロアのようにキラキラ輝いていました。
このあたりの音楽がリアルに今もプレイされ、そしてたくさんの人と踊れるのは、赤坂見附駅のソウルダイニング鶴千さんぐらいではないでしょうか?
今回は同じくNYディスコレーベルだった「Emergency Records」からリリースされた隠れた名曲「You Can’t Run from Love」 Maxine Singleton マキシーン・シングルトンをご紹介します。
隠れた名曲とはまさにこの曲のような存在を言うのでしょうか。プレリュードレコード(Prelude Records)」や「サルソウルレコード(SalSoul Records)」を漁りきっても、まだまだNYディスコサウンドへの飽くなき追求の先にはこうした音楽と出会う喜びがあるのです。サウンド的にはプレリュードに近いミディアムテンポなダンスナンバー。このマキシーンシングルトンというパワフルで豊かな声量を持ったソウルフルなシンガー、この曲は83年に発売されていますが、彼女のデビューは82年の「Don’t You Love It」。
Maxine Singleton
そしてこのアーティストを語る上で欠かせない事実・・・82年といえば、マドンナのホリディが大ヒットした年、そしてこの曲は実はそのホリディを作曲した”Curtis Hudson”によって作曲、プロデュースされているんです。しかし残念ながら彼女の情報はこのデビュー曲と翌年のこの曲のみ。そして2曲とも上位チャートインすることなく、終わっています。
当時この名曲を渋谷のビッグアップルや六本木のスタワンやキサナドゥで聴いていたら そしてその思い出が残っていたなら、どんなに素敵だっただろうかと。そう思いながら今夜このレコードに針を落とすのです。