「これぞ、ブラックミュージックの極み!」ブラックミュージック黄金時代の到達点!

80年代NYディスコサウンド

「これぞ、ブラックミュージックの極み!」ブラックミュージック黄金時代の到達点!


クインシー・ジョーンズ『The Dude』— ブラックミュージック黄金時代の到達点!(1981)

「これぞ、ブラックミュージックの極み!」――そう言い切ってしまいたくなるほど、プロデューサー=クインシー・ジョーンズの才能が凝縮されたアルバムが、この『The Dude(愛のコリーダ)』だ。

まず、プロフィールを少し。クインシー・ジョーンズは1933年シカゴ生まれ。50年代にはジャズ・トランペッターとして活動し、やがて作曲・編曲家として頭角を現す。フランク・シナトラやレイ・チャールズを手掛け、映画音楽『In the Heat of the Night(夜の大捜査線)』ではアカデミー賞候補にもなった。そして70年代には、ブラックミュージックとポップス、そしてジャズの融合をテーマに数々の名盤を生み出し、ついにこの『The Dude』でその頂点を極めた。

アルバム冒頭の「Ai No Corrida(愛のコリーダ)」はご存じの通り、日本でもディスコ・フロアを席巻! そのキャッチーなメロディとソウルフルなグルーヴで、全米ビルボード・ホット100で28位、R&Bチャートでは10位を記録した。日本でもTBS系『ザ・ベストテン』などで頻繁に取り上げられ、当時のナイトクラブやディスコではかからない夜はなかったといわれるほど。タイトルは日本映画『愛のコリーダ』(大島渚監督)から取られたというエピソードも話題になった。

続く「Just Once」ではジェイムズ・イングラムの甘いヴォーカルが光り、全米R&Bチャート3位、アダルト・コンテンポラリーでも5位と大ヒット。さらに「One Hundred Ways」もビルボードHot100で14位、R&Bチャートで5位とチャートを賑わせ、グラミー賞最優秀男性R&Bヴォーカル賞を受賞するなど、音楽界全体に大きなインパクトを与えた。

この作品の素晴らしさは、単なるプロデュース・アルバムにとどまらず、「ブラックミュージックの知性と情熱を融合させた一大芸術作品」であることだ。ファンク、ソウル、ジャズ、AOR……そのすべての要素を高次元でブレンドし、80年代サウンドの礎を築いたと言っても過言ではない。リズムセクションにはルイス・ジョンソン(ブラザーズ・ジョンソン)、ドラムにはジョン・ロビンソン、キーボードにはグレッグ・フィリンゲインズなど、まさに当時のブラックミュージック界の“ドリーム・チーム”が勢ぞろい。

特筆すべきは、全体を通して漂う都会的な洗練さと、アフリカン・アメリカンのルーツを感じさせる温かみだ。「ブラックミュージック」が持つ情感、リズム、そしてスピリット――そのすべてを、クインシーは一枚のアルバムに結晶化させたのだ。

『The Dude』は、80年代の幕開けに鳴り響いた“新時代のブラックミュージック宣言”であり、後にマイケル・ジャクソンの『Thriller』を生む布石ともなった。日本のディスコで踊り明かしたあの夜のサウンドトラック、それがこのアルバムだったのだ。

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🟣 主なチャート実績
・「Ai No Corrida」:Billboard Hot100 28位/R&Bチャート10位
・「Just Once」:R&Bチャート3位/ACチャート5位
・「One Hundred Ways」:Hot100 14位/R&Bチャート5位/グラミー賞受賞

🟠 リリース:1981年(A&M Records)
🟠 ジャンル:R&B/ソウル/ファンク/AOR
🟠 プロデュース:Quincy Jones

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✨新宿ディスコXの元DJコメント:

「“愛のコリーダ”で始まり、“The Dude”で締める――このアルバムこそ、ブラックミュージックの知性と快楽の最高地点!」

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「愛のコリーダ」がヘビーローテーションされるお店三選
R.G.B. TOKYO
 〒110-0005 東京都台東区上野5丁目18−7 モリタビル地下1階
Lovers
鶯谷に君臨する伝説のディスコ
〒110-0003 東京都台東区根岸1丁目1−16
Foomys
シェイプUPガールズの中島史恵さんと梶原真弓さんがプロデュース
〒299-5501 千葉県鴨川市小湊711−3

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