brass construction

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「時代が変わっても、ファンクは生きている。」BRASS CONSTRUCTION『ATTITUDE』(1983)


BRASS CONSTRUCTION『ATTITUDE』
(LIBERTY/1983年発売)

「時代が変わっても、ファンクは生きている。」
そんな確信を抱かせるような一枚だった。NYブルックリン発、70年代後半のブラス・ファンクの代表格 BRASS CONSTRUCTION。彼らが当時『ATTITUDE』で見せたのは、アーバンで洗練された80’sファンクへの鮮やかなシフトだ。

オープニングを飾る「Do Ya」は、かつての重厚なホーン・アンサンブルに代わって、よりシンセティックなブラス・サウンドが前面に。リズム・ボックスのパルスが刻む都会的なグルーヴの上を、ランディ・ミュラーのベースラインがうねる。まるで〈ディスコ〉から〈クラブ〉へと時代が移り変わっていく瞬間を切り取ったようなサウンドだ。

続く「We Can Do It」では、彼ららしいポジティヴなメッセージが弾ける。かつての「Movin’」のような爆発力ではないが、よりミッドテンポで粘りのあるグルーヴが都会の夜にフィットする。

六本木 ファンク系クラブDJコメント:

“80’sの空気を吸ったBRASS CONSTRUCTIONは、もはやストリートの哲学者だね。ファンクをただ鳴らすんじゃなく、スタイルとして生きてる感じがする。”

A面後半の「I Do Love You」では、スムーズなエレピとサックスが絡み合い、まるでクールなソウル・ナイトを思わせるスロウ・グルーヴへ。かつての肉体的ファンクから一歩引いた、成熟の余裕がここにはある。

B面に進むと、「Attitude」「Can You See The Light」など、タイトル通り“姿勢”を示すトラックが並ぶ。ホーンのキレとシンセの光沢が絶妙に混じり合い、80年代型ファンクの完成形とも言える仕上がり。特に「Can You See The Light」は、クラビネット風シンセとヴォコーダーが絡む、まさにエレクトリック・ファンクの見本だ。

総じて本作は、“生ブラスと電子の共存”という、80年代初期のファンクが抱えた課題に真正面から挑んだ意欲作。BRASS CONSTRUCTIONがただの懐古的ファンク・バンドで終わらないことを、見事に証明してみせた。

SoulFlava★採点
🎵 グルーヴ感 ★★★★☆
🎵 アーバン度 ★★★★★
🎵 ファンク魂 ★★★☆☆
🎵 進化への意志 ★★★★★

――

「ファンクとは、音の中の“姿勢(Attitude)”だ。」
そんな彼らの声が、いまもシティの夜を突き抜けて響く。

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