DAZZ BAND KEEP IT LIVE

80年代NYディスコサウンド

漆黒のファンク、漆黒のフロア、響く重低音DAZZ BAND「Keep It Live」(1982)

DAZZ BAND「Keep It Live」
(Motown/1982年発売)

“Let It Whip!!”——この一曲が流れ出した瞬間、誰もが体を揺らさずにはいられない。オハイオ出身のファンク集団、ダズ・バンドが放つ最新作『Keep It Live』は、そのタイトル通り、ライヴ感あふれるグルーヴとエネルギーが詰め込まれた会心の一枚だ。

80年代初頭、モータウンが再びクラブ・シーンの主役に返り咲くきっかけとなったのが、まさにこのアルバム。プロデュースを手掛けたのはグループのリーダー、ボビー・ハリス。シンセとホーンの絶妙なバランス、そしてリズム・セクションの“キレ”が、どの曲にも息づいている。特に大ヒット・シングル「Let It Whip」は、スラップ・ベースとシンセ・ブラスが絶妙に絡み合い、ダンス・フロアを熱く焦がすファンク・アンセムに仕上がっている。

アルバム全体はライヴ形式で構成されており(実際にはスタジオ録音とライヴ録音の巧妙なミックス)、観客の歓声がリズムと一体化することで、臨場感がグッと高まっているのもポイントだ。タイトル曲「Keep It Live(On the K.I.L.)」では、彼らのステージ・パフォーマンスの魅力がそのままレコードに閉じ込められており、聴いているだけで汗ばむような熱気を感じる。
大ヒットした「Let It Whip」よりもこのタイトル曲「Keep It Live(On the K.I.L.)」が、フロアをFUNKで熱く焼き尽くす感が強烈で記憶に残っている。こんな踊りにくい曲を当時の「黒い箱」では好んでプレイされていたね。

ヴォーカル面では、レッジ・サイモンズのシャープなリードが冴え、コーラスとの掛け合いも完璧。アース・ウィンド&ファイアやコン・ファンク・シャンのような壮大さというより、もっとストリート寄りの“リアル・ファンク”に根ざしたノリが彼らの真骨頂だ。

FMステーション的に言えば——
🎙「夜のカーラジオで“Let It Whip”が流れたら、アクセル踏まずにいられない!」
そんな、80年代初期ファンク黄金期の勢いを象徴するアルバム。シンセが主役に躍り出た時代に、バンドの生演奏の迫力を見せつけた一枚でもある。

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