Kashif

VOCAL

衝撃のデビューを忘れない!Kashifと書いてカシーフと読むんだよ(1983)

🎧 Kashif『Kashif』(Arista / 1983)

──新世代R&Bを切り拓いた、NY発アーバン・グルーヴの革命児。

“シンセが踊り、夜がきらめく──”
1983年、R&Bの空気を一瞬で未来へとシフトさせた一枚が、このカシーフのデビュー・アルバム『Kashif』だ。

かつてBT Expressのメンバーとして活動していた彼が、ソロとして放ったこの作品は、まさに「ポスト・ディスコ時代」の旗印。
ローランドのリズム・マシン、YAMAHA DX7、そしてフェアライト・サンプラー──当時としては最先端のテクノロジーを駆使して、R&Bを一気に“モダン・ファンク”へと進化させた。

代表曲 “I Just Gotta Have You (Lover Turn Me On)” のエレクトリックなベースラインと、シャープなリズム・プログラミング。
そこに乗るカシーフの軽やかなテナー・ヴォイスは、まさに都会の夜を滑るよう。
この1曲で、「あ、時代が変わった」と感じた人は多いはずだ。

さらに “Stone Love” や “Help Yourself to My Love” では、メロウで温かみのあるコード・ワークと透明感のあるコーラスが印象的。
The Mood” では、当時のNYクラブ・シーンでのクールなヴァイブをそのまま閉じ込めたようなシンセ・グルーヴが展開される。

プロデュースからアレンジ、演奏までほぼすべてを自ら手掛けるセルフ・コンポーズ能力も圧巻。
彼の音は、ルーサー・ヴァンドロス、メルバ・ムーア、ホイットニー・ヒューストンなど、後のアーバンR&Bを支えるアーティストたちに多大な影響を与えた。

🎙 DJコメント:
「このアルバム、初めて聴いたときは“これがR&Bの新しい形だ!”って本当にワクワクしたね。
シンセが前に出てるのに、ちゃんとソウルしてる。まさに都会の風が吹く音!」

クールでありながら、どこか温かい──それがKashifサウンドの魅力。
80年代中盤以降のアーバン・コンテンポラリー・サウンドの基礎は、間違いなくこのアルバムから始まった。

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⭐総評:★★★★★
「R&Bがエレクトリックに目覚めた瞬間。」
夜のドライブ、シティライトの下で。
あなたのカーラジオに、Kashifのクールな風を。

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