Teddy Pendergrass

VOCAL

フィリー・ソウルの貴公子が放つ、大人のブラックミュージックの香り

Teddy Pendergrass テディ・ペンダーグラス「TP」——フィリー・ソウルの貴公子が放つ、大人のブラックミュージックの香り 🎵

1980年、アメリカのR&Bシーンにまたひとつ、極上の「ブラックミュージック」が誕生した。タイトルはそのまま、シンプルに 「TP」。テディ・ペンダーグラスの4作目のソロ・アルバムである。


🕶 フィラデルフィアが生んだ“ソウルの帝王”
テディ・ペンダーグラスTeddy Pendergrassといえば、70年代フィラデルフィア・インターナショナル・サウンドを代表するグループ ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ のリード・シンガーとして名を馳せた人物。あの「If You Don’t Know Me by Now」で聴かせた男の哀愁あふれるヴォーカルは、今も語り草だ。グループ脱退後、ソロとしてもヒットを連発。彼の歌声は、甘さと渋さ、そして力強さを兼ね備えた「男のブラックミュージック」の象徴といえるだろう。


💿 アルバム「TP」——成熟した都会の夜を照らすサウンド
本作「TP」は、フィリー・ソウルの伝統を受け継ぎながらも、80年代の洗練されたアーバン・グルーヴを取り入れた作品だ。
なかでも、シングル・ヒットした 「Love T.K.O.」 は全米R&Bチャート2位を記録。メロウなビートにのせた切ない恋の余韻は、今も多くのリスナーを虜にしている。
また、ダンス・トラック Take Me in Your Arms Tonight や、スロウ・バラードの名曲 「Feel The Fire」(ステファニー・ミルズとのデュエット) も高く評価され、アルバム自体も ビルボードR&Bアルバム・チャート3位 にランクイン。ソウルフルでありながらモダンなアレンジが、当時のブラックミュージックの進化を象徴していた。


🌆 夜の街に似合う、男の色気を纏ったブラックミュージック
「TP」は、ただのR&Bアルバムではない。これは“大人のためのブラックミュージック”だ。テディの低く熱いヴォイスは、恋人たちの夜を包み込むように響く。その歌声には、愛と欲望、誠実と孤独、そんな人間の深層がにじみ出ている。まさに、ブラックミュージックの本質がここにある。


🕯 今なお輝きを放つ名盤
1982年、不慮の事故により下半身不随となったテディだが、その後も歌うことを止めなかった。彼の魂は常に音楽の中で生き続けている。
「TP」は、そんな彼の黄金期の頂点を飾るアルバム。80年代のソウルやAORに親しんだリスナーなら、この“静かな情熱”にきっと心を打たれるはずだ。


📻 当時のFMステーション編集部コメント抜粋:

「テディの声を夜のカーステレオで聴けば、まるで都会の灯が胸の奥にともるよう。これぞ、ブラックミュージックの真髄。」

— まさに、今こそ再び針を落としたい“アーバン・ソウルの名盤”である。
なお、Teddyは2010年59歳という若さで亡くなっている。RIP,Teddy.

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