George Benson

JAZZ

洗練の極み。夜の街を滑るように流れるスムーズなグルーヴ。George Benson「In Your Eyes」(1983年)

George Benson「In Your Eyes」(1983年)

――洗練の極み。夜の街を滑るように流れるスムーズなグルーヴ。

1983年、ジョージ・ベンソンが放ったアルバム『In Your Eyes』は、まさに80年代のブラックミュージックが到達した“都会派洗練”の象徴といえる。ジャズギタリストとしての確かなテクニックと、ソウルフルなヴォーカルを自在に操る彼は、もはや“ギターを弾くジャズマン”という枠を超え、時代のポップアイコンとしても輝きを放っていた。


🎸George Bensonプロフィール

1943年ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ。幼い頃から天才ギタリストとして名を馳せ、60年代にはジャズ界でその腕を認められる存在に。70年代後半、クインシー・ジョーンズやトミー・リピューマのプロデュースのもと、ヒット曲「This Masquerade」「Give Me The Night」で一躍ポップシーンのスターへ。彼の音楽はブラックミュージックの持つ温かみと、AOR的な都会の光沢を見事に融合している。


💿『In Your Eyes』レビュー

本作『In Your Eyes』は、前作『Give Me The Night』で開花したクロスオーバー路線をさらに洗練させた意欲作。プロデュースはクインシー門下のアリフ・マーディン。緻密なアレンジと、滑らかなシンセサウンドが生み出すサウンドスケープは、当時のAOR/ブラックミュージックの最前線そのものだ。

オープニングの「Feel Like Makin’ Love」では、柔らかなギターのカッティングとコーラスが織りなすメロウな世界。タイトル曲「In Your Eyes」はロビー・ブキャナンの繊細なシンセアレンジにベンソンの甘いヴォーカルが溶け合い、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートで第7位を記録。まるで夜景をバックに流れる高層ビルのライトのように、静かに胸に沁みる。

さらに「Lady Love Me (One More Time)」は、ビルボード・ホット100で30位、R&Bチャートで21位を記録したヒット・チューン。リズミカルなギターとシンセ・ベースが織り成すモダン・ファンク・グルーヴは、まさに80年代ブラックミュージックの粋を集めたもの。


🌆総評

『In Your Eyes』は、George Bensonというアーティストがジャズ、ソウル、AORの垣根を超えて“アーバン・ブラック・サウンド”を確立した瞬間を刻んだ名盤だ。洗練されたメロディ、艶やかなギター、柔らかなヴォーカル──そのすべてが、夜のドライブに似合う“極上のブラックミュージック”として今も輝き続けている。

🎙️六本木ディスコS(スクエアビル)DJコメント:
「George Bensonって、まるで夜の街のネオンみたいにスムーズだよね。In Your Eyesを聴けば、都会の恋の香りが漂ってくる。これぞ大人のブラックミュージック、だね!」


🕶️主なチャート情報(1983年)

  • 「Lady Love Me (One More Time)」:Billboard Hot 100 30位/R&B 21位
  • 「In Your Eyes」:Adult Contemporary 7位
  • アルバム『In Your Eyes』:Billboard 200 45位/R&Bアルバムチャート 12位

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