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“打ち込みの時代に、人のぬくもりを。これがデトロイト・ソウルの生証明—This Love’s for Real.”CHAPTER 8 (1985)


CHAPTER 8「THIS LOVE’S FOR REAL」──デトロイト・ソウルの灯、再び。

🎙️ DJコメント:
「都会の夜を走るクルマのスピーカーから、このグルーヴが流れてきた瞬間——思わずアクセルを踏みたくなる。
デトロイト発、リアルでスムースなブラックミュージック。これこそが“生きたR&B”の証拠。」

80年代中盤、打ち込みが主流となりつつあったR&Bシーンの中で、“温度のある音”を追求したバンドがいた。
それがこのCHAPTER 8(チャプター・エイト)。デトロイトの名門グループとして70年代から活動を続け、かつてアニタ・ベイカーを擁したことで知られるが、本作『This Love’s for Real』(1985年)は彼らのサウンドが円熟を迎えた記念碑的な一枚だ。

プロデュースを担当したのは、後にアニタ・ベイカー『Rapture』を手がけるマイケル・J・パウエル。彼の手腕によって、アナログとデジタルが絶妙に溶け合ったサウンドが完成した。まさに80年代ブラックミュージックの理想形とも言えるバランス感覚。

タイトル曲「This Love’s for Real」は、滑らかなベースと煌びやかなキーボードが交錯するミディアム・チューン。Billboard R&Bチャート31位を記録し、ラジオでも好評を博した。女性リードのヴァネッサ・ベルの伸びやかなヴォーカルが、まるで夜の街を包み込むようだ。

続く「How Is It Possible」は、都会の孤独と恋の儚さを描いたメロウ・ソウル。繊細なハーモニーが心に残る。バンドの実力を存分に感じさせるトラックだ。
一方、「I Just Wanna Be Your Girl」や「It’s My Turn」では、ファンクの熱を忘れず、リズムセクションのグルーヴが炸裂。演奏陣のキレ味と女性ヴォーカルの艶が絡み合う瞬間、ブラックミュージックの醍醐味が全開になる。

アルバム全体としては、電子サウンドの冷たさとは無縁の“人肌の温度”。
これは、まさにブラックミュージックが持つ本来の魂を現代的にアップデートした音楽だ。打ち込みの波に埋もれることなく、自らのルーツを信じて放たれたこの作品は、後のR&B黄金期の礎を築いたといっても過言ではない。

『This Love’s for Real』は当時、Billboard Top Black Albumsチャートで38位を記録。大ヒットこそ逃したが、その完成度はプロミュージシャンの間でも高く評価され、今も“知る人ぞ知る名盤”として語り継がれている。

🎙️ 80年代風にDJコメント(エンディング):
「本気じゃなきゃ伝わらない。
このアルバムのタイトル通り——“This Love’s for Real”。
本物のブラックミュージックを、あなたの夜に。」


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