フォーエバー・バイ・ユア・サイド/ザ・マンハッタンズ(Columbia 1983)
――愛のバラードで綴る“大人のブラックミュージック”の極み
70年代のスウィート・ソウルを代表するグループとして知られるザ・マンハッタンズ(The Manhattans)。彼らは1962年、ニュージャージー州ジャージー・シティで結成された5人組ヴォーカル・グループだ。70年代半ばに「Kiss and Say Goodbye」(’76/全米No.1!)で世界中のソウル・ファンを魅了し、その後も数々のバラードで“アーバン・ソウルの紳士たち”としての地位を築いてきた。
そんな彼らが1983年にリリースしたのが、この『Forever By Your Side』。80年代に入り、彼らのサウンドにも新しい風――スムーズなシンセ・サウンドと洗練された都会的グルーヴ――が吹き込まれた。まさに時代の変化を映した大人のブラックミュージックだ。
アルバムのタイトル曲「Forever by Your Side」は、アメリカよりもむしろ南アフリカやブラジルで大ヒットし、海外のソウル・チャートでは長く愛され続けた名バラード。スローなリズムに乗せてリードのジェラルド・アルストンが甘く歌い上げるその声は、夜のFMで聴くにはまさに極上の一曲だ。
オープニングの「Crazy」や「Locked Up In Your Love」は、70年代の流れを汲みながらも、よりモダンなR&Bフィーリングが光るナンバー。都会の夜をドライブするようなメロウ・グルーヴが心地よい。
また、「Just The Lonely Talking Again」は後にホイットニー・ヒューストンもカバーしたことで知られるが、原曲はこのアルバムに収められたマンハッタンズ版。切なさと包容力が共存する珠玉のバラードで、まさにブラックミュージックの醍醐味といえるだろう。
当時のビルボードR&Bチャートでは、「Crazy」が最高位72位、「Forever by Your Side」が同チャートで30位前後まで上昇(※地域によってはトップ20入り)。派手なヒットではないが、根強い人気を誇る“静かなる名盤”としてファンの間では長く語り継がれている。
シンセとストリングスが織りなすサウンド・テクスチャー、アルストンの深みのあるボーカル、そして甘く切ないラブ・テーマ――。このアルバムは、80年代初頭のブラックミュージックが持つロマンティックな側面を存分に味わえる一枚だ。
ラストを飾るタイトル曲を聴き終えたとき、あなたもきっと“永遠にそばにいたい”誰かの顔を思い浮かべるだろう。
「Just The Lonely Talking Again」は多くのアーティストによってカバーされた名曲中の名曲だ。


Whitney Houston – Just the Lonely Talking Again (Official Audio)
Tesa Williams Ft Marc Nelson | Just The Lonely Talking Again (Studio Performance) | Classic Cover




















この記事へのコメントはありません。