コアなファンがこの曲を“特別扱い”する3つの理由 S.O.S. Band「Groovin’ (That’s What We’re Doin’)
1980年代前半、都会派ブラックミュージックの最重要ラインとして存在感を放っていた S.O.S. Band。彼らの代表曲といえば「Take Your Time (Do It Right)」「Just Be Good to Me」「Tell Me If You Still Care」といったJam & Lewis期のメガヒットが語られがちだが、実はディープなファンの間で密かに愛され続けているのが「Groovin’ (That’s What We’re Doin’)」 だ。
一般層にはあまり語られない——しかしコア層は必ず口にする。
この“通好みの一曲”はなぜ、特別なのだろうか?その3つの理由とは。
まずはGroovin’ (That’s What We’re Doin’)はこの曲。これはアルバムには収録されていない貴重な12インチバージョン。

① Jam & Lewisスタイルへと向かう直前の“過渡期サウンド”が味わえる唯一の曲
1980年代初頭、SOS Bandはまだ 初期の生演奏主体のファンク/ディスコ と、のちにJam & Lewisが確立する シンセ主体のミッドな機械的R&B の間にいた。「Groovin’」はちょうどその狭間で生まれた曲。
- 生ベースがうねるファンクの温度感
- Simmons系のタムやシンセ・ストリングスの“初期80s未来感”
- それでいて疾走感より“横揺れのクールさ”を優先したグルーヴ
- この絶妙なバランスは、のちのビッグヒットには無い。
- 「この瞬間のSOS Bandしか作れない音」 であり、それがファンの琴線に触れる。

The S.O.S. Band – Ⅲ(1982)
Groovin’ (That’s What We’re Doin’) ”
② 代表曲とは違う“大人のアーバン・ファンク”で、ライブ人気が高かった
「Just Be Good to Me」のような大ヒットとは異なり、
この曲はクラブ/ライブでこそ真価を発揮した曲 と言われている。

The SOS Band Live Studio A5621
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- BPMは中速
- コードはゴージャス
- ホーンとシンセの掛け合いが踊り場の空気を一気に都会的にする
80年代のアメリカ南部のクラブではDJが“滑らかにフロアを深くする時間帯”に使ったと言われ、ブラックミュージック・ファンの間で“選曲者のセンスが試される一曲”として人気が定着した。
コアなファンにとっては、
「これは知ってる?」と語りたくなるタイプの、いわば 秘密の名曲 なのだ。
③ Mary Davisがコーラスに徹し“生々しいグルーブ感”を放っている曲

SOS Bandを象徴するのは、もちろん Mary Davis の声。
しかし「Groovin’」では、彼女のリードボーカルはなく、コーラスで”生々しいグルーブ感”を演出している。
- 力強さより“ねっとりした柔らかさ”
- 美しいレガート
- メロウで少し影のあるニュアンス
サビの
“Groovin’ — that’s what we’re doin’…”
のラインの滑り方は、後年のJam & Lewis期とは違った生っぽい魅力。ファンが「この曲のMaryが一番好き」と語るのも納得だ。
派手な曲ではない。しかし“本来のSOS Bandの姿”がここにある。
「Groovin’ (That’s What We’re Doin’)」はチャート上では大ヒットではないものの、
SOS Bandが“都会的ブラックミュージックの理想形”へ進化していく途中の貴重な断片 が詰まっている。
- ファンクと未来的R&Bの分岐点
- ライブとクラブで育ったアーバン・グルーヴ
- Mary Davisのコーラスに徹したグルーブ感
だからこそ、
SOS Bandを深掘りしたファンほど、この曲を愛してしまう。S.O.S. Band「Groovin’ (That’s What We’re Doin’)」





















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