52ndStreet

UKブラック

「都会の夜を漂うような、クールで熱い英国産ブラック・グルーヴ」――それが52nd Streetの魅力。

52nd Street ― Children Of The Night

(Factory / CBS Associated Records 1985年)

マンチェスター発、“UKブラック”の新風を運ぶグループがこの52nd Street(フィフティ・セカンド・ストリート)。彼らのサウンドは、アメリカのソウル/ファンクの影響を強く受けながらも、イギリスらしいクールな都会感覚と洗練されたシンセアレンジで、まさに’80年代型ブラックミュージックの粋を極めた存在だ。当時アルバムを手に入れ、黒盤に針を落とした時、Jam & Lewisと疑わなかった記憶を思い出してしまう。


■PROFILE

グループ名の由来はもちろんニューヨークのジャズ通り“52nd Street”から。メンバーは女性ヴォーカルのダイアン・チャーリーを中心に、デレク・ジョンソン(g)、トニー・ボウエン(b)、レスリー・アシュリー(key)、ラルフ・ホール(ds)らで構成。彼らはFactoryレーベルの中でも異色のR&Bユニットとして注目され、かつてA Certain RatioやSwing Out Sisterらと並んで“マンチェスター・ソウル”の一翼を担った存在だ。


■ALBUM REVIEW

『Children Of The Night』は、そんな彼らが本格的にアメリカ進出を狙った勝負作。プロデュースはカーティス・メイズとニック・マーティン=スミス。全編に漂う洗練されたグルーヴ、そしてシンセベースとホーンの絶妙なブレンドが心地よい。まさにブラックミュージックの本流に、UK的アーバン・センスが融合したアルバムだ。

オープニングの「Tell Me (How It Feels)」は全米R&Bチャートで最高10位、そして全米ダンスチャートでもベスト20入りを果たしたグループ最大のヒット。煌めくエレクトリック・ピアノと女性ヴォーカルの切ないフェイクが印象的で、当時のアメリカ・ブラックラジオでもヘビーローテーション。続く「Children Of The Night」ではシンセベースとリズムボックスが絡み合い、まるでJam & Lewis流のミネアポリス・ファンクを思わせる。

ミディアム・チューン「Look Into My Eyes」は夜の高速道路を思わせるメロウ・グルーヴ。AOR的な香りも漂い、ブラックミュージックとヨーロピアン・ソウルの絶妙な中間点を感じさせるナンバーだ。ラストの「Smiling Eyes」は心地よいアコースティック・フィールでアルバムを穏やかに締めくくる。


■FM STATION的コメント

DJ TAKEO(六本木スクエアビル内ディスコDJ):

「このアルバム、ほんとに“夜の香り”がするね。アメリカ西海岸の熱さじゃなくて、ロンドンの都会のネオンが滲むような…そんなブラックミュージック。 ‘Tell Me’ のベースラインなんて、当時のダンスフロアで流れたら誰もが体を揺らしてましたね!」


■総評

80年代半ば、Jam & LewisやChange、Atlantic Starrなどが席巻していたシーンの中でも、この52nd Streetの『Children Of The Night』はヨーロッパ発の本格派ソウルとして異彩を放った1枚。ブラックミュージックの新しい波が、海を越えてUKで花開いた瞬間を記録した名盤である。


⭐️おすすめトラック:

  1. Tell Me (How It Feels) – 全米R&Bチャート10位(’85)
  2. Children Of The Night – スムースなUKファンク・グルーヴ
  3. Look Into My Eyes – ミッドナイト・ドライビングにぴったり

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